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天草東エリア
「海にうかぶ博物館あまくさ」のおすすめスポット
白嶽湿地(しらたけしっち)
場所:上天草市姫戸町
【白岳湿地】
【アマクサミツバツツジ】
白岳湿地には希少種であるハッチョウトンボが生息していることから、環境省の重要湿地に選定されました。他にも多様な昆虫や植物が確認されています。絶滅危惧種に指定されているアマクサミツバツツジも分布しており、毎年4月に満開を迎えます。元々この場所は山のような地形(向斜:こうしゃ)でしたが、風化侵食により地層の柔らかい部分が削られて窪地ができ、現在ようなの湿地になりました。
椚島のアンモナイト産地(くぐしまのアンモナイトさんち)
場所:上天草市龍ヶ岳町
【椚島】
【椚島で発見されたイノセラムス】
上天草市竜ヶ岳町の高戸地区周辺や樋島・椚島、天草市の御所浦島には、花こう岩類が分布します。これは天草のほかの地層よりも古く、天草下島西海岸の長崎変成岩と同様に、天草諸島の基盤の一つになっていると考えられています。花こう岩類の年代は約1億年前と推定され、その上は姫浦層群に覆われています。姫浦層群が堆積したのは約8,500万年前で、アンモナイト類やイノセラムス(二枚貝)など多くの化石を産出します。
高戸の白亜紀化石(たかどのはくあきかせき)
場所:上天草市龍ヶ岳町
高戸海水浴場の先の和田の鼻という場所では、約8,500万年前の姫浦層群が露出しています。この時代は白亜紀後期で、恐竜が繁栄していた時代でした。姫浦層群からは、貝類やアンモナイト類の化石、サメの歯の化石がよく見つかります。また、恐竜の化石も発見されています。
御所浦町前島の地質と化石(ごしょうらまちまえじまのちしつとかせき)
場所:天草市御所浦町
天草市御所浦町の前島は様々な地質現象を観察することができる場所です。天草諸島の基盤のひとつと考えられる花こう岩類とその上に覆いかぶさる姫浦層群との不整合や、年代は不明ですが安山岩質のマグマが姫浦層群に貫入している貫入岩が見られます。また断層もあります。ここでは化石もよく見つかり、アンモナイトやイノセラムスを見つけることができます。
アンモナイト館(あんもないとかん)
場所:天草市御所浦町
【アンモナイト館】
【アンモナイト館のアンモナイト(ユーパキディスカス)】
アンモナイトはタコやイカの仲間と同じ頭足類で、現在は絶滅している生き物です。アンモナイト館は天草市御所浦町の牧島にあります。ここのアンモナイトは元々海岸に露出していましたが、埋め立て工事の際に誰でも見ることができるように保護し、その後アンモナイト館を建てて誰でも観察できるようにしました。九州で発見された中では最大級の大きさで、直径が約60センチメートルあります。
スフェノセラムスの壁(すふぇのせらむすのかべ)
場所:天草市御所浦町
スフェノセラムスはイノセラムスの仲間で、白亜紀に生息していた二枚貝です。この露頭は天草市御所浦町の牧島の山肌にあります。元々海底だった場所が、大地の動きにより隆起して地上に現れました。この露頭では貝の化石のほかにも、クモヒトデが這い回った痕跡(生痕化石)も見られます。
烏峠展望所(からすとおげてんぼうしょ)
場所:天草市御所浦町
烏峠は天草市御所浦町では一番標高が高く442メートルあります。展望所からは天草諸島はもちろん、雲仙普賢岳や九州山地を見渡すことができます。駐車場に屋外展示されているアンモナイトは、登山道の整備工事中に地中から発見されたものです。烏峠もかつては海の底にあったことを物語っています。
京泊の恐竜化石発見地(きょうどまりのきょうりゅうかせきはっけんち)
場所:天草市御所浦町
天草で最初に恐竜の化石が見つかった場所です。平成9年、当時の御所浦町から依頼を受けた高知大学のグループが発見しました。見つかったのは植物食恐竜の脚のすねの部分で、竜脚類もしくはヨロイ竜のものと考えられています。
弁天島の恐竜足跡発見地(べんてんじまのきょうりゅうあしあとはっけんち)
場所:天草市御所浦町
九州初の恐竜の足跡化石が発見された場所です。足跡の大きさは38センチメートルで、5メートル前後の肉食恐竜のものと考えられています。現在、足跡化石はくりぬいて御所浦地区コミュニティセンター(御所浦白亜紀資料館1階)で無料展示されています。
採石場跡地の断層と化石層(さいせきじょうあとちのだんそうとかせきそう)
場所:天草市御所浦町
かつて行われていた採石によって崖になった場所で、約1億年前の地層が現れています。地元のガイド団体が提供するクルージングで海上から観察したり、現地で化石採集体験をすることができます。御所浦白亜紀資料館近くの化石採集体験場は、ここで自然崩落した石を運び込んで整備したものです。
横浦島の不整合露頭(よこうらじまのふせいごうろとう)
場所:天草市御所浦町
不整合とは上下に重なる二つの地層の間に大きな時間の隔たりがあることです。横浦島では不整合をよく表している地層を観察することができます。約8,500万年前(白亜紀後期)の地層の上に約5,000万年前(新生代)の地層が重なっています。3,500万年の間に大地が陸になったり海になったりを繰り返したため、不整合の地層ができました。
棚底の石垣群とコグリ(たなそこのいしがきぐんとこぐり)
場所:天草市倉岳町
【棚底の石垣群】
【棚底のコグリ】
倉岳のふもとにある棚底地区は、安山岩質の土壌で地中に大きな石がゴロゴロしているような土地です。地元の人々は古くからこの石を石垣などに利用してきました。この地域は冬場に強い北風が吹くため、石垣でそれを防いでいます。ほかにもコグリと呼ばれる水路や、棚田の横壁にも石材として使われました。
倉岳山頂の貫入岩(くらたけさんちょうのかんにゅうがん)
場所:天草市倉岳町
倉岳は天草諸島で一番高い山で、標高は682メートルあります。約1,600万年前に地層の割れ目に沿って上がってきたマグマが、地中で冷え固まりました。これを貫入岩と言います。ここの貫入岩は周りの地層よりも硬かったために周りの地層が雨風に侵食され、貫入岩が現在の倉岳になりました。天草一高い山は削られてできたと言えます。
小ヶ倉観音(こがくらかんのん)
場所:天草市栖本町
【小ヶ倉観音の一枚岩】
【小ヶ倉観音の貫入岩と教良木層】※手前の白っぽい岩体が貫入岩、右奥の黒い岩体が教良木層
倉岳の岩体である貫入岩は、元々あった教良木層という地層を割って上昇してきました。小ヶ倉観音のお堂の後ろにある大きな一枚岩が貫入岩で、このときの熱により教良木層が黒く変色した様子を観察することができます。お堂の横には貫入岩が段差となって作り出した滝があり、信者の修行の場となりました。