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天草北エリア
「海にうかぶ博物館あまくさ」のおすすめスポット
天草砥石の露頭(あまくさといしのろとう)
場所:上天草市大矢野町
上天草市のカントリーパーク花海好(はなみずき)内に流紋岩の露頭があります。木目模様が美しく、建材や「天草砥石」というブランドで砥石として利用されてきました。流紋岩は地層の割れ目に沿って地下から湧き上がってきたマグマが冷え固まってできたものです。西海岸の流紋岩(天草陶石)とは違って木目模様があるのは、岩石内部の鉄分が地下水の影響で酸化して茶色く変色したためと考えられています。
永浦島のハクセンシオマネキ生息地(ながうらじまのはくせんしおまねきせいそくち)
場所:上天草市松島町
ハクセンシオマネキは甲羅の幅が2センチメートルほどの小さなカニです。西日本一帯に分布していますが、永浦島の干潟は日本有数の生息地で、平成29年の調査では約23万匹が生息していると見積もられました。オスは片方のハサミが極端に大きいのが特徴で、夏の干潮時にはメスを呼ぶためにハサミを振る姿が見られます。この干潟を守るために護岸には天然石が採用されたり、家庭排水が流れ込まないような工夫がされています。
高杢島(たかもくじま)
場所:上天草市松島町
約300万年前は上天草市の大矢野島周辺で火山活動が活発だった時期です。高杢島・飛岳・柴尾山・大矢野岳も当時は活火山で、現在の大矢野島の地層の一部はこの時の火山活動で噴出した石や灰が堆積したものです。高杢島は島の形の美しさから「天草富士」と呼ばれ親しまれています。樋合海水浴場の向かいにあり、潮が引いた時に現れる道(砂州)を歩いて渡ることができます。
湯島層の化石と玄武岩(ゆしまそうのかせきとげんぶがん)
場所:上天草市大矢野町
【湯島層の化石】
【湯島の玄武岩】
流通量が少ないため幻と言われる「湯島大根」は、湯島の高台の畑で生産されています。高台の土壌は約82万年前に噴出した玄武岩ですが、湯島大根が通常の大根より大きく・甘く育つのはこの岩石の土が関係していると考えられています。湯島の海岸の一部に、約100万年前に堆積した湯島層が分布しています。ここからは当時内湾に生息していた貝の化石を見つけることができます。
阿村の住吉神社の夫婦岩(あむらのすみよしじんじゃのめおといわ)
場所:上天草市松島町
住吉神社前の海岸に夫婦岩と呼ばれる二つの大きな岩があります。この岩は、約9万年前に阿蘇山が4回目の大規模な噴火を起こしたときの火砕流堆積物からできています。大きな岩は高さ5メートル周囲16メートルあり、小さな岩はその形から「ゴジラ岩」とも呼ばれています。
高舞登山展望所(たかぶとやまてんぼうしょ)
場所:上天草市松島町
高舞登山展望所からは上天草市の松島から大矢野島にかけての、天草五橋東側の多島海の景観が一望できます。また、約300万年前に活火山だった飛岳・柴尾山・大矢野岳などを見ることができるスポットでもあります。展望所まで行く道路脇には、白亜紀(約8,500万年前)と古第三紀(約5,000万年前)の地層を観察することができます。
千巌山貝化石密集層(せんがんざんかいかせきみっしゅうそう)
場所:上天草市松島町
千巌山の中腹の広場で化石の露頭を観察することができます。この地層は約5,000万年前に堆積した赤崎層と白岳層です。主に陸地で堆積した赤崎層が、浅い海の白岳層に移り変わっていく様子がわかります。海と河川の水が混じり合う汽水域の貝化石もここで観察することができます。
千巌山展望所(せんがんざんてんぼうしょ)
場所:上天草市松島町
天草諸島の特徴的な構造のひとつに褶曲(しゅうきょく)があります。褶曲とは、地殻変動によって地層に大きな力が加わってたわみ、しわが寄ったように曲がりくねる現象のことです。”しわ”が寄った後の大地が風化侵食を受け千巌山などの山々ができました。例えば、千巌山・千元森嶽・太郎丸嶽・次郎丸嶽・念珠岳を結ぶ稜線は褶曲によりできたものです。
千元森嶽の崖とだご石(せんがんもりだけのがけとだごいし)
場所:上天草市松島町
【千元森嶽の崖】
【だご石】
千元森嶽の崖の地層は約5,000万年前に堆積した白岳層です。この地層の砂岩は比較的硬く、かつては「合津石」という石材名で採石されていました。だご石は、この地層が地表に現れている部分が風化侵食を受け小さくなったもので、専門的には「コアストーン」と呼ばれるものです。
祝口観音の滝と教良木層の黒色泥岩(いわいぐちかんのんのたきときょうらぎそうのこくしょくでいがん)
場所:上天草市松島町
【祝口観音の滝】
【教良木層の黒色泥岩】
祝口観音の滝は教良木ダムに注ぎ込む滝で、約5,000万年前に堆積した白岳層の砂岩の上を流れています。滝の中腹に観音様が祀られており、歩いて行くことができます。その道の脇には湿潤な環境を好むミズスギと言う原始的なシダ植物が生育しています。ダムのほとりには教良木層の黒色泥岩が露出しており、ダムの不透水層(水を通しにくい地層のこと)となっています。
真黒石の浜(まぐろいしのはま)
場所:天草市有明町
【真黒石の浜】
【真黒石】
天草市有明町のリップルランドに隣接する海岸では、真っ黒いツルツルした石が打ちあがっています。これは教良木層を主体とする泥岩で、熱の影響で硬くなり、波によって表面が滑らかになったものです。約5,000万年前に浅い海で砂の層(白岳層)が堆積した後、急激に海が深くなります。その深い海に堆積した地層が教良木層です。